この記事でわかること(3行まとめ)
- 2026年5月22日、日経平均は+1,654円の史上最高値。
しかし年初来高値を更新したのは69銘柄、年初来安値を更新したのは105銘柄だった - 日経平均は「株価の高い銘柄」の影響を強く受ける仕組みのため、一部の値がさ株だけで指数が動く
- 自分の株が上がらないのはセンスの問題ではない。ただし「いずれ資金が回ってくる」という期待で持ち続けるのも違うと考えています
最高値のニュースを見て、ため息をついた人へ
「日経平均株価、史上最高値を更新」
明るいニュースのはずなのに、証券口座アプリを開いた瞬間、ため息をついていませんでしたか。画面に並ぶのは、容赦のないマイナスの文字。
「日経平均はあんなに上がっているのに、なぜ私の持ち株は動かないのか」
「もしかして、自分の投資センスがないだけなのか」
そう感じているなら、まず数字を見てください。
あなたのセンスの問題ではありません。
2026年5月22日、実際に東京市場で何が起きていたのかを整理します。
5月22日、日経平均は+1,654円だった
2026年5月22日(金)の日経平均株価は、前日比1,654.93円高(+2.68%)の63,339.07円。
約1週間ぶりに史上最高値を更新しました。
米国とイランの戦闘終結に向けた期待と、米国のハイテク株高が背景にありました。
数字だけ見れば、文句なしの大相場です。
ところが、中身を見ると景色が変わります。
証拠①:日経平均225銘柄のうち、100銘柄が下がっていた
この日の日経平均構成銘柄の騰落数は、次の通りです。
| 区分 | 銘柄数 |
|---|---|
| 値上がり | 120銘柄 |
| 値下がり | 100銘柄 |
| 変わらず | 5銘柄 |
指数が2.68%上昇した日に、その指数を構成する225銘柄のうち44%が下落していました。
これは他の市場の話ではありません。日経平均そのものの中身の話です。指数を構成している銘柄の4割以上が下げているのに、指数は最高値を更新した。
証拠②:年初来安値の更新のほうが多かった
さらに決定的な数字があります。この日、東証プライム市場では、
- 年初来高値を更新:69銘柄
- 年初来安値を更新:105銘柄
史上最高値を更新した日に、年初来安値を更新した銘柄のほうが1.5倍多かったのです。
「日経平均史上最高値」という見出しの裏で、実際には安値を更新している銘柄のほうが多い。この一点が、いま起きていることのすべてを表しています。
なぜこうなるのか?:日経平均の仕組み
原因は、日経平均という指数の計算方法にあります。
日経平均は株価平均型の指数です。構成銘柄の株価を単純に合計して割る方式なので、「株価が高い銘柄(値がさ株)」の値動きが指数に強く反映されます。
会社の規模ではなく、株価の絶対水準で影響力が決まる。ここが重要です。
実際、5月22日に日経平均を押し上げた寄与度上位の銘柄はこうでした。
寄与度上位:ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、TDK、東京エレクトロン、イビデン
生成AI・半導体関連と、株価水準の高い銘柄が並んでいます。この数銘柄が指数を引き上げた一方で、残りの多くの銘柄は蚊帳の外でした。
つまり、いま起きているのは「日本企業全体が強い」のではなく、一握りの値がさ株が指数を引き上げているという状態です。
自分で確認する方法
この構造を自分で確認する方法があります。日経平均とTOPIXを並べて見ることです。
TOPIXは時価総額加重型の指数で、日経平均より広い範囲の銘柄をカバーしています。日経平均だけが大きく上げてTOPIXの上昇率が小さい日は、値がさ株に資金が偏っている可能性が高い。
ニュースは日経平均しか報じませんが、両方を見れば市場の実態に近づけます。 これは今回に限らず、いつでも使える確認方法です。
下げていたのは、どんな業種か?
この日の業種別騰落を見ると、傾向がはっきりします。
上昇した業種:非鉄金属、情報・通信業、ガラス・土石製品、電気機器、化学 下落した業種:保険業、不動産業、水産・農林業、電気・ガス業、海運業
下落した側に並んでいるのは、配当利回りの高い伝統的な業種です。保険、不動産、電力・ガス、海運。高配当株投資をしている人のポートフォリオが、まさに置いてけぼりを食らう構成になっています。
「なぜ私の持ち株だけ上がらないのか」という感覚は、気のせいではなかったということです。
私の保有株も、指数を下げる側にいた
ちなみに、この日の寄与度下位(指数を押し下げた銘柄)は次の通りでした。
東京海上ホールディングス、HOYA、三井物産、セコム、ソニー
私が配当目的で長期保有している三井物産が、しっかりここに入っています。
日経平均が1,654円上げた日に、自分の持ち株はその足を引っ張る側にいた。同じ市場を見ていても、持っているものによって体感はまったく違うということです。
この週は、上下に振れ続けていた
もう一つ補足しておきます。この最高値更新は、穏やかな上昇の結果ではありませんでした。
- 5月18日(月):半導体関連の下落で593円安
- 5月19日(火):半導体株安で4日続落
- 5月20日(水):746円安、5月1日以来の6万円割れ
- 5月21日(木):1,879円高、6営業日ぶりの上昇
- 5月22日(金):1,654円高、最高値更新
週の前半で6万円を割り込み、後半の2日で3,500円以上戻して最高値。
これが実態です。
ニュースの見出しは金曜日の結果しか伝えませんが、この週を通して持ち続けていた人の体感は「最高値」ではなかったはずです。
では、どう考えるべきか?
ここで「相場にはサイクルがあるから、いずれ資金は出遅れ株に回ってくる」と書きたくなります。
実際、そう書いてある記事も多いです。
ただ、これは希望的観測です。 回ってくるかもしれないし、こないかもしれない。
それは誰にも分かりません。
私が確認しているのは、もっと単純なことです。
その銘柄を買った理由が、今も成立しているか。
私の場合、日本株は配当が目的です。だから確認するのは株価ではなく、配当を出す力が落ちていないかどうか。今回の下落は、業績悪化でも減配発表でもなく、資金がAI関連に流れた結果です。だから売る理由がありません。
株価が動かないことと、買った理由が崩れることは別の話です。 ここを混同すると、判断を誤ります。
SPYDの弱点を知った上で、それでも私が持ち続ける3つの理由|金利上昇に弱い高配当ETFとの付き合い方SPYDには「金利に弱い」「分配金が安定しない」「トータルリターンが市場平均に劣る」という弱点があります。それでも3年半保有を続ける理由とは?HDVがNISA対象外となった今、SPYDを買い増す判断と、高配当ETFとの付き合い方を投資歴25年の経験から解説します。
一番危険なのは、焦って動くこと
私が25年の投資でやってきた失敗は、ほぼすべて「焦って方針を変えた」ことが原因です。FXで大損し、自動売買で失敗し、CFDでは数百万円を失いました。
【CFDで全財産を溶かした私から、今のあなたへ】日経平均5万円時代にこそ知るべき「リスク管理」の鉄則日経平均5万円時代に、CFDで全財産を失った商社マン投資家の失敗談を公開。コロナショックで強制ロスカットされた原因は「損切りの遅れ」でした。25年の経験から導き出した、新NISA後のリスク管理と、失敗しないためのCFD活用術をFP2級の視点で解説します。
今の相場で一番危険なのは、
- お祭り騒ぎに焦って、上がりきったハイテク株を高値で掴む
- 「自分の投資法は間違っている」とパニックになって、優良株を手放す
この2つです。どちらも、指数の見出しに反応して判断を変えるという同じ行動です。
相場が荒れた週に、私が絶対にやらない4つのこと|投資歴25年のルール日経平均が一日で2,000円動く週に、投資歴25年の私がやらない4つのこと。FXとCFDで数百万円を失った経験から作った積立・個別株・生活防衛資金のルールと、「ルールを変えていい唯一の理由」を書きました。
まとめ
- 2026年5月22日、日経平均は+1,654円で史上最高値。しかし構成225銘柄のうち100銘柄は下落していた
- 同日、年初来高値更新は69銘柄、年初来安値更新は105銘柄。安値更新のほうが多かった
- 日経平均は株価平均型のため、値がさ株の動きが指数を左右する
- 下げていたのは保険・不動産・電力ガス・海運といった、高配当系の業種
- 「いずれ資金が回ってくる」という期待ではなく、買った理由が今も成立しているかで判断する
指数の見出しと、自分のポートフォリオが一致しない。それは珍しいことでも、あなたが間違っているからでもありません。日経平均という数字が、市場の全体を表していないだけです。
次に「最高値更新」のニュースを見たときは、TOPIXと、年初来高値・安値の更新銘柄数を確認してみてください。見出しとは違う景色が見えるはずです。






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