こんにちは。40代のサラリーマン投資家のきょうじゅです。
先日、SBI新生銀行が発表した「50年住宅ローン」が波紋を呼んでいます。
「半世紀も借金を背負うなんて正気か?」
「銀行の罠だ」
という声も聞こえます。
しかし、住宅ローンアナリストたちの間では、実はこれこそが「返済リスクを最小化する最適解」だという驚くべき評価があるのをご存知でしょうか。
現在、住宅ローン完済まで残り3年の私が、過去の「繰り上げ返済」への後悔と、専門家の視点を交えながら、この問題にコメントしたと思います。
「早く返せば楽になる」という思い込みの後悔
私は現在、20年の住宅ローンを組んでいますが、繰り上げ返済を重ねた結果、完済まで残り3年となりました。
しかし今、猛烈に後悔していることがあります。
それは、「イールドギャップ(利回りの差)」という概念を無視して、ただ「借金を早く消したい」という感情だけで繰り上げ返済をしてしまったことです。
もし、繰り上げ返済に充てた現金を全て米国株インデックスや高配当株に回していれば、今の低金利下では、運用益がローンの利息を大きく上回っていたはずです。お金を増やす目的が「人生の決定権を握るため」であるなら、手元のキャッシュを最大化する戦略こそが正解でした。
では、期間を極限まで延ばした「50年ローン」は、私たちにとっての最適解なのでしょうか?
数字で見る50年ローンの正体:利息だけで「家がもう一軒」?
50年ローン最大の罠は、月々の返済額の少なさに隠された「支払利息の膨大さ」にあります。
例:5,000万円借入、金利2.0%の場合で計算してみると、その差は歴然です。
- 35年ローン:利息総額 約 2,000万円
- 50年ローン:利息総額 約 3,200万円
50年ローンを選ぶと、元本の6割以上に相当する3,200万円を「金利」として銀行に支払うことになります。35年ローンと比較しても、1,200万円も多く利息を払うのです。
将来の日本円の価値下落(インフレ)を予想すると、今現金を借りて投資に回す合理性はありそうです。しかし、50年という長い歳月、建物の寿命や金利上昇リスクを抱え、これほどの利息を献上し続ける価値がその住宅にあるのか。私には、あまりにコストが高すぎる選択に思えてなりません。
総務省が2023年に実施した、「住宅・土地統計調査」によると、日本の空き家数は900万戸と過去最多、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と過去最高になったそうです。
将来の日本、人口減少に伴い、空き家の数は更に減るはず。
そんな中、本当に資産価値がある住宅を探すことはできるでしょうか?
「利息を払う人」から「利息をもらう人」への転換
ここで、視点を180度変えてみましょう。
最近のメガバンクやネット銀行の好決算を支えている一因は、まさにこうした住宅ローンによる安定した金利収益(ストックビジネス)です。50年ローンが普及すれば、銀行にとっては「超長期で利息を払い続けてくれる顧客」を確保でき、収益はさらに盤石になるでしょう。
ここで投資家として考えるべきは、「利息を3,200万円払う側」に居続けるのか、それとも「その利息を利益として受け取るオーナー(株主)」になるのか、という点です。
私は、先日IPOで当選したSBI新生銀行の株を保有しています。
自分が住宅ローンを組んで銀行に金利を払う立場であっても、同時にその銀行の株主であれば、銀行が上げる収益の一部を配当や株価上昇という形で還元されることができます。
「ローンを借りるなら、その銀行の株も買う」
これこそが、資本主義の仕組みを理解した投資家の、最も合理的で皮肉な「防御策」かもしれません。3,200万円の利息を払って消耗するくらいなら、その利益を吸い上げる側に回る方が、よほど効率的な資産形成だと思いませんか?
結論:私が50年ローンを選ばない理由
私の結論はこうです。
- 住宅ローンは最短・最安で活用し、繰り上げ返済はしない:低金利の恩恵は受けつつ、余剰資金は全てインデックス投資や高配当株へ。
- 50年という「拘束」は選ばない:50年も銀行に縛られることは、人生の決定権を損なうリスクが高い。
- 銀行株をチェックする:ローンを組む検討をする時間があるなら、その利益を享受する銀行株の配当利回りをチェックし、ポートフォリオに組み込むことを考えます。
住宅ローンは、正しく使えば強力な武器になりますが、一歩間違えれば銀行の「一生の顧客」として搾取されるだけのツールになります。
あなたが目指すのは、銀行を太らせることですか?それとも、自分の自由を手に入れることですか?
まずは、銀行に利息を払うだけでなく、自らの手で資産を運用する「証券口座」という武器を手にすることから始めてみてください。それが、資本家への第一歩です。



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