この記事でわかること(3行まとめ)
- 2023年春からHDVを3年半持っています。財務の健全な会社に絞った中身と、0.08%の低コストは、今も魅力だと感じています
- ただ、2025年11月にこの記事を書いたとき「分配金がドンッと減らない」と書いたのは、数字を確かめないままの思い込みでした。過去10年で減配は3回あり、2025年も年間で約5%減っています
- 2026年は、株式分割、毎月分配への変更、NISAの対象外と、変化が重なりました。私は今、持ち続けるが買い増さない、という判断をしています
配当金を中心にポートフォリオを組んでいると、必ずといっていいほど比較対象に上がるのが VYM・SPYD・HDV の3つの米国高配当ETFです。
私自身もこのうちSPYDとHDVの2つを保有しています。今回はその中でも HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF) に焦点を当てて、
- どうしてHDVに投資したのか
- 3年半持って分かった魅力と弱点
- 2026年に何が変わり、今どう判断しているか
を、経験者の視点で書いていきます。
HDVを買った理由 ― 「安定性」に惹かれた
HDVを購入したのは2023年の春、ちょうど高配当ETFについて本格的に調べ始めたタイミングでした。
当時の私は、
- SPYD:利回りは高いが景気敏感
- VYM:安定感はあるが利回りがやや控えめ
- HDV:利回りと安定のバランスが良い
といった印象を持っていました。
そして、調べれば調べるほど「HDVは安定性が強い」という評価が多かったんです。財務体質の強い会社に絞っていること、医薬品や生活必需品、通信といった不況に強い業種が多いこと。こうした点から、「毎年の配当金を安定して積み上げていきたい」という私の投資スタイルに合っていると判断しました。
HDVの基本をご紹介
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF |
| 連動指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 |
| 銘柄数 | 約75 |
| 経費率 | 0.08% |
| 分配 | 毎月(2026年7月分から。それまでは年4回) |
| 特徴 | 財務健全性で絞った高配当株。上位10銘柄で約5割を占める集中型 |
3年半持って、良かったところ
財務の健全な会社に絞っている
HDVは、モーニングスター社の財務健全性の基準で銘柄をふるいにかけています。「利回りが高いだけ」の会社を入れにくい仕組みです。
利回りの高い順に機械的に選ぶSPYDと比べると、ここがHDVの一番の違いだと思います。
コストが低い
経費率は0.08%。高配当ETFとしては十分に低い水準です。3年半持っていても、コストを気にしたことはありません。
年単位で見れば、分配金は増えてきた
1年間の分配金を並べると、2015年の2.88ドルから2025年の3.91ドルまで、10年で約1.4倍になっています(分割前の1株あたり)。
年ごとの増減はありますが、10年という単位で見れば、配当は積み上がってきたETFです。
HDVの分配金推移|毎月分配で9月は8月の半分に。3か月で一周する理由HDVの分配金推移を整理。毎月分配になったHDVは、9月分が8月分の約半分でした。米国企業の配当は3か月おきなので、HDVの毎月分配は「3か月で一周」します。10月分の予想、分割の5倍換算、10年の年間推移もまとめました。
「減配が少ない」は思い込みだった
2025年11月時点では、HDVについてこう書いていました。
HDVの最大の魅力は、やはり分配金が”ドンッと減らないこと”。
高配当ETFの中でも”減配耐性”がかなり強い部類に入ります。
今年、HDVとSPYDの分配金を10年分並べて記事にしたとき、この書き方が間違っていたことに気づきました。
HDVは、過去10年で3回、年間の分配金が前年を下回っています。
| 年 | 年間分配金(分割前) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016 | 2.70ドル | −6.3% |
| 2021 | 3.51ドル | −1.7% |
| 2025 | 3.91ドル | −5.0% |
特に2025年は、9月分が前年同月比で約23%減りました。この記事を公開する2か月前の出来事です。 私は自分の口座に入っていた数字を確かめないまま、「減らない」と書いていたことになります。
四半期ごとに見ると、振れ幅はもっと大きくなります。2022年は6月分から9月分で2倍以上に跳ねました。2024年も、一番少ない3月分(0.835ドル)と一番多い9月分(1.229ドル)で、5割近い差があります。
比べる相手を変えると、さらにはっきりします。2017〜2025年の9年間で、VYMは一度も年間の減配がありません。HDVは3回です。
「安定している」というのは、当時の評判をそのまま自分の言葉にしていただけでした。 3年半持った人間が書くべきだったのは、評判ではなく、自分の口座に入った数字です。
それでも気づかなかったのは、分配金をドルのままVOOに回していて、毎回の金額を見ていなかったからです。生活費に使っていたら、もっと早く気づいていたと思います。
SPYDの分配金推移|減配4回の理由と、減配の年に買って3年半持って分かったことSPYDの分配金は右肩上がりではありません。過去10年で減配は4回。ただしそれは「利回り上位80銘柄を年2回入れ替える」という指数ルールの必然です。減配した2023年に買って3年半持ち、取得利回りが約5%になった記録。
2026年、HDVに起きた3つの変化
3年半のうち、最後の1年でHDVはかなり変わりました。
①2026年4月29日:1対5の株式分割
1株が5株になり、1株あたりの分配金も5分の1になりました。昔の数字と比べるときは、今の金額を5倍する必要があります。たとえば2024年の年間4.11ドルは、分割後の数字では約0.82ドルにあたります。
②2026年6月16日:毎月分配へ。そして新NISAの対象外に
分配が年4回から毎月に変わりました。毎月分配型は新NISAの成長投資枠の対象外なので、HDVはNISAで新たに買えなくなりました。 NISAで持っている分は、そのまま非課税で持ち続けられます。
毎月分配になって、金額の上下も目に見えるようになりました。9月分は8月分の約半分です。組み入れている会社の多くが3か月おきに配当を出すため、月によって集まる配当の量が違うからです。
【HDV】NISA対象外になったが売る必要はない|保有分の扱いと代替ETFの選び方米国高配当株ETFの王道「HDV」が毎月分配へ変更!だが、すでに持っている分は継続保有できる。投資歴25年のサラリーマン投資家が、毎月分配化のメリット・デメリットや税金のリアル、今後の投資戦略を徹底解説します。
③エネルギーの比重が大きくなった
買った当時は「医薬品・生活必需品・通信のETF」という印象でした。今は、組入比率の1位がエクソンモービル、3位がシェブロンで、**エネルギーの上位2社だけで約15%**を占めます。
2026年は原油が高く、エネルギー株がHDVを押し上げました。ただ、それは原油が下がれば逆に効くということでもあります。ディフェンシブなETFだと思って持っていると、中身の変化を見落とします。
HDVの弱点
3年半持った今、弱点はこう考えています。
①分配金は、思ったほど安定していない
上に書いたとおりです。年単位でも減配はあり、毎月分配になってからは月ごとの上下も大きくなりました。
②NISAで新たに買えない
これからHDVを買う人は、課税口座で買うことになります。分配金には米国で10%、国内で20.315%がかかります。確定申告の外国税額控除で一部は取り戻せますが、NISAで買える高配当ETFと比べると不利です。
③上位の銘柄、とくにエネルギーの影響が大きい
上位10銘柄で約5割を占める集中型です。エネルギー2社の配当や株価の動きが、HDV全体に強く出ます。
④成長性は低い
S&P500のような値上がりは期待できません。株価の伸びで資産を増やしたい人には向きません。
⑤配当の伸びは控えめ
10年で約1.4倍、年平均にすると3%ほどです。「10年後に配当をもっと増やしたい」という人には、物足りないかもしれません。
私はHDVを課税口座で持ち、毎年、確定申告で外国税額控除を受けています。控除できる上限額は所得から計算する必要があり、手計算だと間違えやすいので、クラウド型の確定申告ソフトに任せています。
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今の私の判断:持ち続けるが、買い増さない
3年半持って、私は今、HDVを持ち続けるが、買い増さないと決めています。
持ち続ける理由は、中身が悪くなったわけではないからです。財務の健全な会社に絞る仕組みも、低いコストも変わっていません。課税口座で持っているので、NISAの対象外になったことの直接の影響もありません。
買い増さない理由は、新しいお金を課税口座で入れる理由が見つからないからです。高配当ETFをNISAで買い増すなら、私はSPYDに寄せています。
SPYDの弱点を知った上で、それでも私が持ち続ける3つの理由|金利上昇に弱い高配当ETFとの付き合い方SPYDには「金利に弱い」「分配金が安定しない」「トータルリターンが市場平均に劣る」という弱点があります。それでも3年半保有を続ける理由とは?HDVがNISA対象外となった今、SPYDを買い増す判断と、高配当ETFとの付き合い方を投資歴25年の経験から解説します。
そして、「減配が少ない」と思い込んでいたことを踏まえて、HDVの分配金を生活費として当てにする計画は立てないことにしました。受け取った分配金は、これまでどおりドルのままVOOに回しています。
これからNISAで米国の高配当ETFを買うなら、取引手数料や為替手数料は証券会社ごとに条件が違うので、口座を開く前に比べておくと後が楽です。米国株・米国ETFを扱う老舗のネット証券として、松井証券も選択肢の一つです。
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HDVはどんな人に向いている?
向いている人
- 財務の健全な会社に絞った高配当株に、低コストで分散したい人
- 分配金の増減を、年単位で受け止められる人
- 課税口座で持つことに納得している人、またはすでにNISAで持っている人
向かない人
- 毎月ほぼ同じ金額が入ることを期待する人(月によって半分になることもあります)
- これからNISAで高配当ETFを買いたい人(HDVは買えません)
- 株価の値上がりで資産を増やしたい人
まとめ
- HDVの魅力は、財務健全性で絞った中身と低コスト。年単位では10年で分配金が約1.4倍になった
- ただし「減配が少ない」は思い込みだった。過去10年で減配3回、2025年も約5%減
- 2026年は分割、毎月分配、NISA対象外と変化が重なり、エネルギーの比重も大きくなった
- 私は持ち続けるが、買い増さない。分配金を生活費として当てにする計画は立てない
3年前の私は、評判を信じてHDVを「安定のETF」だと思っていました。3年半持ってみて、HDVは悪いETFではないけれど、評判ほど安定してはいない、というのが正直な結論です。
失敗の多い投資人生ですが、自分の書いた記事の間違いに、自分の数字で気づけたことは良かったと思っています。







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