この記事でわかること(3行まとめ)
- ゴールドマン・サックスはS&P500の今後10年間の平均年率リターン予測を、3%→7%へ上方修正
- 理由は「企業利益率の大幅上昇」と「歴史的に見て依然低い金利水準」の2点
- ただし過去平均の10%には届かず、筆者は予測に関わらず淡々と積立投資を継続する方針
米国株10年リターン予測、まさかの上方修正
米国株へ長期投資している人にとって見逃せないニュースが飛び込んできました。
ゴールドマン・サックスは、S&P500の今後10年間の平均年率リターン予測を 3%から7%へ引き上げた と発表。
わずか2年前にはかなり悲観的な見通しを示していたにもかかわらず、なぜ予測を修正したのだろうか。
以前は「失われた10年」を警告していた
2024年、当時のゴールドマン・サックス米国株チーフストラテジストのデビッド・コスティン氏は、「今後10年間のS&P500の平均年率リターンは約3%」と予測し、多くの投資家の話題となった。
その根拠となったのが CAPEレシオ(景気循環調整後PER) だ。
CAPEレシオとは?
CAPEレシオとは、株価が過去10年間の平均企業利益に対してどれだけ割高かを示す指標だ。簡単に言えば「今の米国株は過去と比べてもかなり高い値段で買われているか」を測るものになる。
歴史的には、以下の相関がある。
| CAPEレシオ | 将来10年間の期待リターン |
|---|---|
| 高い | 低くなる傾向 |
| 低い | 高くなる傾向 |
現在のCAPEレシオは 約40倍 と非常に高い水準にあり、過去のデータだけを見れば期待リターンはかなり低いことになる。
なぜ7%へ引き上げたのか? 理由は2つ
「今回は過去とは状況が違う」というのがゴールドマンの見解だ。理由は以下の2点にまとめられる。
企業利益率が昔より大幅に高い
| 時期 | 企業利益率 |
|---|---|
| 1980年頃 | 約5.5% |
| 現在 | 約13% |
アメリカ企業はIT企業を中心に収益性が大きく向上した。利益率が高ければ、高い株価もある程度正当化できる。
金利は依然として歴史的には低い
2022年以降は利上げが続いたものの、長期で見ると現在の金利水準は歴史平均よりなお低い。一般的に「金利が低い→株式の価値は高く評価されやすい」という関係があるため、この点もバリュエーションの高止まりを支える要因になっている。
ゴールドマンは、この「高い利益率」と「低金利」が続く限り、株価バリュエーションも高止まりすると考えている。
それでも過去平均の10%には届かない
新予測の7%は、改善したとはいえS&P500の長期平均リターン約10%よりは低い数字だ。つまり「今後も米国株は成長するが、これまでのような高リターンは期待しすぎない方がよい」というのがゴールドマンの見方になる。
年率7%は高いのか、低いのか?
皆さんは、年率7%という数字を見てどう感じるだろうか。
筆者は「十分高い」と感じている。SNSを見ていると、毎年20〜30%のリターンが当たり前のような雰囲気があるが、世界トップクラスの投資銀行ですら、長期では7%程度と見ている。このギャップは、長期投資家ほど意識しておきたいポイントだ。
年率7%でも、20年続けば資産は 約4倍 になる。長期投資では、この”地味な数字”こそが強い。
長期投資家としてどう向き合うべきか
実際には、
- 年率7%になるかもしれない
- 年率3%かもしれない
- 横ばいの10年になるかもしれない
——これは誰にも正確には予測できない。だからこそ長期投資では、将来の予測に賭けるよりも「毎月積み立てる」「分散投資を続ける」「暴落でも売らない」という基本を守ることが、結果として資産形成につながる。
私の投資スタイルへの影響
このニュースを見ても、投資方針を変えるつもりはない。
今回のゴールドマン・サックスの予測変更は、「バリュエーションは高くても、高利益率と低金利が続けば正当化できる」という前提に立っている。しかし、この前提自体が今後10年間維持される保証はない。一方で「失われた10年」を予想する専門家もいるが、その時期を正確に当てることも極めて困難だ。結局のところ、どちらのシナリオが現実になるかは誰にも分からない。
だから筆者は、将来のリターン予測よりも、自分でコントロールできる投資行動を重視している。
- 新NISAでの積立投資を継続する
- 高配当株から得られる配当金を再投資する
- 市場が上昇しても暴落しても投資を続ける
このシンプルなルールを守り続けることが、25年以上投資を続けてきた筆者がたどり着いた結論だ。市場予測は参考になるが、それに振り回される必要はない。長期投資で最も大切なのは、「未来を当てること」ではなく「どんな未来でも続けられる仕組みを持つこと」だと考えている。
「毎月淡々と積み立てる」仕組みを作るなら、まずは証券口座選びから。
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